コンタクトレンズのT(ティックネス)とは?
コンタクトレンズのT(CT)とは?
このデーターは「ティックネス(thickness)」のことで、コンタクトレンズの中心の厚み=中心厚を表しています。単位は「mm」です。
中には中心の厚み「center thickness」と言うことで「CT」と表記されているものもあります。
中心の厚みはメーカーやレンズの種類、度数等により異なりますが、レンズを製作する段階で自動的に確定するデータで、コンタクトレンズを注文する際に使用者が選択できるデータではないので、注文時には必要のないデータです。
T(中心厚)はソフトレンズの含水率と同様にコンタクトレンズ装用中により多くの酸素が目に供給されるかどうかのカギの一つなのです。コンタクトレンズを使用する上でしっかりと覚えておかなくてはならないことは、「コンタクトレンズを装用すると黒目は裸眼の時と比較すると酸素不足の状態になる」と言うことです。
それではレンズの厚みによってどのような事に変化がでてくるのでしょう。
レンズが厚いことによるメリットとは?
- ●特に度数の弱い人にとってはレンズのハンドリング(取り扱いのしやすさ)がしやすくなる。
- ●レンズ自体の強度がしっかりしているので、レンズが丈夫で破損しにくい。⇒度の軽い方にはおすすめです。
- ●乱視の矯正には適さないと言われるソフトレンズですが、薄いレンズと比較するとよりクリアーな視界を得ることができます。
- ●レンズの形状保持性が優れているため装着時等、指の上でレンズが型崩れしにくく安定しやすい。
レンズが厚いことによるデメリットとは?
- ●酸素透過性が薄型と比較すると劣る。
- ●個人差はありますが、異物感を感じやすい。
レンズが薄いことによるメリットとは?
- ●酸素透過性に優れている。
- ●快適な装用感。
レンズが薄いことによるデメリットとは?
- ●レンズの強度と言う点で劣る。
- ●厚みあのあるレンズと比較するとクリアな視界と言う点では劣る。(特に乱視のある方)
- ●レンズが薄いために、特に軽度の度数の方にとってはレンズの取り扱いがしにくい。
まとめて言うと中心厚の厚いレンズはレンズの強度があり、取り扱いのしやすさと言う点では優れているものの、装用感や酸素の通りと言う点では薄いレンズには劣ります。
薄いレンズはと言うと、その逆で装用感、酸素の通りは優れているものの、度の軽い方にとっては取扱いがしにくく、クリアな視界と言う点ではやや劣るということになります。つまり一長一短と言うことです。
例えば2WEEKで人気のボシュロム社「メダリストプラス」と「メダリストⅡ」を比較してみると・・・
メダリストプラスのT(中心厚)・・・0.035mm 含水率・・・35.8%
メダリストⅡのT(中心厚)・・・0.14mm 含水率・・・59%
2つのレンズのT(中心厚)を比較してもレンズの厚みは3倍以上異なります。
中心厚と言う点ではメダリストプラスの方が数段酸素の通りがいいということになります。
しかし含水率(レンズ自体が含んでいる水分の割合はメダリストⅡの方が優れています。含水率は高ければ高いほど目に供給される酸素の量は多いということになります。
同じメーカーの出している2WEEKタイプでも酸素の通りを良くするために異なる手法を使っているわけです。
しかし度のとても軽い方が薄型を売りにしているメダリストプラスを選択すると、取り扱いに苦労をすることになります。
最終的にはレンズとお使いになられる方との相性により、調子の良し悪しが決まってくるのではないでしょうか。