メガネの度数とコンタクトレンズの度数
時々、メガネの度数と同じ度数でコンタクトレンズを注文したいというお問合せをいただくことがあります。
眼科で検査を受診した上で、その結果としての同じ度数であれば問題はないのですが、「メガネの見え方と同じにしたいから」という理由でメガネと同じ度数で注文をするとしたらそれは問題です。
メガネの度数とコンタクトレンズの度数は少しちがう・・・
メガネによる矯正とコンタクトレンズによる矯正、矯正の仕方に大きく異なる点があります。見た目でもハッキリと異なる部分です。
それは、「メガネは黒目から少し離れた位置にレンズを配置して矯正する」のに対して、コンタクトレンズの場合は黒めに直接のせて矯正するということです。
角膜頂点間距離
聞きなれない言葉だと思いますが、これは角膜頂点(黒目)からレンズまでの距離の事を言います。
メガネの場合、一般的にその距離の基準は12mmとされています。その理由はメガネのレンズがまつ毛に触れることなく、また実際の眼で見たものの大きさと、メガネを通してみたものの大きさに違和感を感じない最適な距離とされているからなのです。
でももちろん鼻の低い人、黒目が少し出ている人、メガネフレームのデザインなどでその距離は微妙には前後します。
ところが、コンタクトレンズは角膜の上に直接乗っているので、角膜頂点距離「0」ということになります。
焦点距離
レンズには度数によって焦点を結ぶ距離、いわゆる焦点距離が異なります。
焦点距離と度数の間には下記のような関係が成立します。
F(F:焦点距離)=1/D(D:屈折力=度数)
メガネの角膜頂点間距離が12mm。それに対してコンタクトレンズはそれが「0」なわけです。
焦点距離が異なれば、おのずと度数もそれに伴って変わってきます。
計算式に当てはめて計算をしていくと、おおむね±3.00Dという度数を超えてくるとメガネとコンタクトレンズの度数に差異が生じてきます。度数が強くなればなるほどその違いは顕著になってきます。
下記の表は、メガネの度数に該当するコンタクトレンズの度数を記載した表です。上記の計算式に則り算出すると概ねこのようになるわけです。
つまり、メガネと比較すると、コンタクトレンズは、一定の度数を超えるとメガネの度数よりも軽い度数でメガネとおおむね同じ見え方を得ることができるわけです。
例えば近視用の度数-6.50Dのメガネを掛けていた人がコンタクトレンズに換えた場合、-6.00Dの度数でメガネと同等の見え方を得られるわけです。
これが-15.00Dになると-12.75でいい訳です。度数が強くなればなるほどその差は大きくなります。