コンタクトレンズと容器の捨て方は?
みなさん、使用したコンタクトレンズやレンズの入っていたブリスターパック容器はどのように処分していますか?
処分方法は、自治体によって異なるようなので、お住まいの地域で確認をして、ルールに従って、正しく処分しましょう。
日本コンタクトレンズ協会の「2019年度コンタクトレンズ消費者実態調査」によると以下のような驚くべき結果が・・・
ゴミ箱以外の廃棄場所として
●自宅内の洗面所や流し・・・33.3%
●自宅トイレ・・・15.1%
●自宅内その他の場所・・・17.0%
●自宅以外その他の場所・・・34.6%
このようにレンズの着脱をしがちな洗面所などの水廻りで処分している傾向が伺えます。
プラスチックでできているコンタクトレンズは、水に溶けるわけもなく、1年365日、ワンデータイプであれば、毎日使用する人の場合、730枚ものレンズが洗面所の排水溝やトイレに流されるのです。もし家族で同じようなことがなされたとしたら・・・・
下水の狭いパイプの中にレンズが詰まり、大変なことになってしまいます。実際にその様なケースもあるようなのです。
そのことを踏まえ、改めてコンタクトレンズの捨て方に関してご案内致します。
使い捨てコンタクトの場合
使い捨てコンタクトは、外箱、ブリスターパック、レンズから構成されています。レンズによってはシュリンクで包装されているレンズもあります。
※シュリンクは、熱を加えると収縮するフィルムで、外側のビニールのようなものです。
●シュリンク・・・廃棄物分類では「廃プラスチック」に該当します
●外箱・・・紙ごみ
●ブリスターパック・・・リサイクル可能なプラスチック容器です。レンズやふたが残っていない空ケースのみ再利用できるため、きれいに取り除いた状態で処分しましょう。
●ブリスターパックの蓋部分・・・「もえるゴミ」、自治体によっては「不燃ごみ」
●レンズ本体・・・使用済み、未使用を問わず「もえるゴミ」「プラスチックゴミ」等に分別して処分してください。そのまま捨てると他のものに付着したり乾燥して割れたりする場合があるので、ティッシュなどにくるんでから捨てましょう。
※自治体により「燃えるゴミ」「プラスチックゴミ」「燃えないゴミ」など若干違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
ブリスターパックに関しては回収に取り組む自治体や企業もあります。たとえば、クーパービジョンやアイシティ、Menicon Miruなどでは、空ケースの回収プログラムを実施しています。
未使用のコンタクトレンズはEXPの切れたコンタクトレンズも、中を出して、それぞれ分別して処分するよう注意しましょう。
長期装用型ソフトコンタクトの場合
長期装用型のソフトコンタクトに関しては、プラスチック容器に入っているレンズとバイアル瓶に入っているレンズに分かれます。
●プラスチック容器・・・リサイクル可能なプラスチック容器です。バイアル瓶の場合は、バイアルキャップは不燃ごみ、バイアル本体はビンゴミ
●レンズ本体・・・使用済み、未使用を問わず「もえるゴミ」「プラスチックゴミ」等に分別して処分してください。そのまま捨てると他のものに付着したり乾燥して割れたりする場合があるので、ティッシュなどにくるんでから捨てましょう。
※自治体により「燃えるゴミ」「プラスチックゴミ」「燃えないゴミ」など若干違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
ハードコンタクトの場合
●ケース・・・リサイクル可能なプラスチック容器です。
●レンズ本体・・・使用済み、未使用を問わず「もえるゴミ」「プラスチックゴミ」等に分別して処分してください。そのまま捨てると他のものに付着したり乾燥して割れたりする場合があるので、ティッシュなどにくるんでから捨てましょう。
※自治体により「燃えるゴミ」「プラスチックゴミ」「燃えないゴミ」など若干違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
コンタクトレンズの誤った棄て方は大きな問題に・・・
ハードコンタクトレンズは見た目からもわかるようにプラスチックで作られています。
しかし柔らかくいソフトコンタクトレンズも実は水分を含ませると軟らかくなるプラスチック性の素材で作られています。
現在、世界的にもプラスチック製のペットボトルや家庭用品やオモチャなど、ポイ捨て同様に不適切に廃棄されたプラスチックごみが大量に海に流れ出て、海の環境を汚し、海の生き物にも悪影響を及ぼしていることが問題になっています。
10年前のデータでも日本のプラスチック容器包装の1人当たりの廃棄量が世界第2位という状態なんだとか・・・
その中の一部にコンタクトレンズも入っているということなのでしょう。
現在、日本国内のコンタクトレンズの装用人口(ハードコンタクトレンズを含む)は、2,000 万人以上と言われており、12歳~59歳の約3人に1人がコンタクトレンズを装用していると推測されます。
その人たちが全てとは言わなくても、一部の人がコンタクトレンズを不適切に廃棄しているとしたら・・・
排水溝に流れたコンタクトレンズは下水処理場で細かく砕かれてマイクロプラスチックとなり、海へ流れ出している可能性があるのです。
いわゆる「海のマイクロプラスチック汚染」です。
海に流れ出したマイクロプラスチックは分解されて無くなるという事はなく、海の生き物が間違えて食べて生態系を破壊したり、食物連鎖を通じて私たち人間の体内にも蓄積したりなど、地球上に住むさまざまな生物に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
コンタクトレンズユーザーの一人一人の些細な行動が大きな影響を及ぼすこの問題、コンタクトレンズの捨て方も意識しなくてはいけない問題です。